-代替医療となにか?どんな治療をするのか?

代替医療とは「補完医療」「相補医療」とも呼ばれ
通常医療の代わりに用いられる医療(アロマテラピー,マッサージ,民間療法)なども含めて言われます。

-代替(だいたい)医療とは-

代替医療を代表するホリスティック(からだ・こころ・生命のつながり全体)医療とは
人間の身体を臓器や細胞単位でなく、身体全体あるいは心も含めて人間まるごと見直して、病気の治療に役立てようする考え方です。

概ね、「自然治癒力や免疫力」といった生体本来に備わっている力を基礎として考えますが、現代西洋医学とは概念が違うため、その見解の違いで「自然治癒力や免疫力」というステージで度々論争がおこります。

ここでは医師による代替医療に限定して説明いたします。

すでに欧米では医大で代替医療の選択講義を柔軟に受講できたり単科大学として漢方専門の大学等もありますが、日本の医大では※1.制度上の問題でそのような体制がまだなく、日本の代替医療の医師は、医師となってから海外で受講するか、独学で修得するしかありません。
国によっては、※2.医療保険制度の違いもあり代替医療は社会的に浸透しつつありますが、日本では体系的に確立していないために、しばしば現代医療派と代替医療派の間で対立の構図が生まれます。

※1.日本の医学部は文科省と厚労省による二重支配になっています。(例:文科省で医学教育した成果を 国家試験するのが厚労省)このような制度が日本の医療の効率性・柔軟性を阻害しています。

※2.米国では国民皆保険制度はなく、医療費が高額なこともあり、通常的に代替医療が活用されています。 また代替医療の有用性を検証研究するための国立補完代替医療センター(NCCAM)もあります。

-混乱と対立の構図-

日本の代替医療では概ね、食事療法などをベースにすることが多いのですが、医大でそもそも栄養学の教育体系すらないため、それぞれの医師が独自のやり方で治療方針を示します。
あるいは治療しながら新しい方法を模索します。そのために、現代医療派は、非科学的であるとか一貫性がないとか、実証性・有効性が不確実な治療だと非難します。

食事や栄養学をベースにすると、当然健康食品との接触も多くなり、食品系のメーカーと代替医療の関係が密になります。
これは薬に頼らない、現代医学に頼らないとなりますので、医薬品メーカー側からすれば、企業として死活問題です。 また、一部の急進的な食品メーカーや代替医療派は、ことさらに薬剤の危険性などを強調するために、ますます対立の溝が深まります。

-大局的立場と対極的言葉-

患者の立場からすれば、現代医療でも代替医療でも
病気を治してくれるのならどちらでもいいのですが・・・

通常医療(現代医療)でも代替医療でも、実は大多数の医師は穏健派です。
つまり、互いの長所・短所を認め合い・補い合って患者が希望するような治療ができれば理想であろうと考えています。このような考え方を統合医療と言います。
ところが、個々の医師が理想を求めても、大病院等の組織の中では、現在の日本の医療制度のもとで、それを自由にできる環境にはありません。

さらにメディア(テレビ・雑誌・インターネット)上で話題となる時に、穏健派(大局的でどっちつかず)はセンセーショナル(世間を沸かせる)テーマにはなりませんので、極論vs極論の対極的な言葉だけが注目され、患者(消費者)を惑わせる結果となっています。

-統合医療と混合診療-

代替医療はほとんどが保険外(自由)診療のため
現代医療+代替医療=保険診療+保険外診療=混合診療=統合医療
と考える方が多いのですが、それは国の医療費削減政策から考えるもので
本来の統合医療の考え方は、患者本位=患者に治療選択肢を増やすという考えです。

患者の治療選択肢を増やす=自己負担でやってください。結局混合診療=統合医療でしょ?という方も多いのですが、治療に有効性があるのなら代替医療でも保険診療になることを望んでいた私としては、統合医療で保険診療の枠を減らそうとする国の政策に、失望しています。

末筆ながら・・・代替医療を行っている病院は、個人開業医などの小規模な病院やクリニックがほとんどです。費用に関しては、一部保険が使えるものもありますが、ほとんどは患者の全額負担となります。残念ながら、今後はさらに患者負担が増えそうです。
多くは自由診療制のため初診料なども、病院・クリニックによって異なりますので、予約を含め事前に確認が必要です。


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