-薬と健康食品の併用-

薬と健康食品の併用に関するご不安が、最も多いご質問(ご相談)です。

-薬はきっちり-

 薬には病気が原因で起こる症状(発熱・痛み・下痢など)を一時的に抑えて自然治癒による回復を待つ比較的穏やかなものから抗癌剤や抗ウィルス剤など、強い副作用を伴うものまで様々です。

 薬は特定の病気や症状に対して用法・容量を定めており、医師はその薬剤マニュアルにしたがって予見・予後を見ますので、自己判断で勝手に途中で止めたり飲み方を変えたりすると、医師の判断を誤らせたり、ウィルスに薬剤耐性を与えてしまったりするため、きちんと指示された通りに服用しなければなりません。

 また、水分制限をされていない限り、内服薬はできるだけ白湯(湯冷し)で服用してください。冷水は胃の温度を下げてしまうため、胃の働きがにぶくなり吸収が悪くなります。水分が少ないと、食道にくっつきそこで溶けてしまい、食道を傷めてしまう場合もあります。

-健康食品は曖昧-

 健康食品は、梅干・納豆・ヨーグルト・黒酢など伝統的な発酵食品から、現代バイオの特殊技術で特定成分を抽出した機能性食品まで様々です。

 機能性食品の中には、一昔前の薬よりも遥かに成分純度の高いもの、日本では食品でも海外では薬として認可されているもの、輸入薬剤扱いであったものが、規制緩和で食品扱いに変わったものなど、制度や法律上の違いで非常に定義が曖昧です。

 健康食品は、特定の症状や病気を治す目的というよりも、体力増強や治療の補助的に利用するものです。薬とは違い摂取の中断や使用量のさじ加減も利用者本位で構いません、パッケージ記載されているのは目安として考えれば結構です。

-タイミングと成分を知る-

 薬に関しては食前・食間・食後という服用のタイミングが定められていますが、健康食品で食前・食後とアドバイスされたとしても、それは目安にしか過ぎませんので、薬のタイミングを優先して下さい。概ね薬とは2時間程度の時差をあけてください。

 薬の禁忌(きんき)を知ること。
 薬の効果を弱めたり、逆に強め過ぎたりする食材があります。例えば「ワーファリン」という血液の凝固を抑える薬がありますが、この薬の禁忌は納豆やクロレラです。  しかしこの場合、納豆の成分すべてが駄目なのではなく、ビタミンKという成分がワーファリンの作用を減弱させるので禁忌=タブーとされているのです。

 ところが最近の機能性食品(健康食品)の中には食品中のある成分だけを抽出して、例えば納豆を原料としていてもビタミンKを除去している商品もあります。しかしこのような情報を知っている医師は稀ですし、薬剤師でも少数派だと言えるでしょう。
■薬の禁忌の成分については、薬剤師に尋ねて下さい。
■健康食品の成分については、発売メーカーに問い合わせて下さい。

この時、成分を詳細に説明できたならば、安心して併用ができますが「食品ですから安全です」との曖昧な返答では信用はおけません。健康食品は使用量は曖昧であっても構いませんが、成分説明や禁忌について曖昧であってはならないのです。

以上のように双方の情報を得てから、できればメモにとって主治医に相談なさってみてください。実際の診察(経過を見る)は医師の責任になりますので、医師に対して、「薬と健康食品の併用は?」と漠然とした質問をしても医師を困惑させるだけです。
治療方針は患者に選択権がありますので、患者がきちんとした資料を提示すれば、日本でも医師が承諾するケースが多くなっています。

末筆ながら・・・○○様ご本人が言い出し辛かったら、先日電話を頂いた息子さん?
を伴ってご相談されるとよろしいかと思います。
ご不明・ご不安なことがございましたら、どうぞご遠慮なくまたご連絡下さい。


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